月刊 ちあきなおみ 「演歌のちあき」 その2
以前、「さだめ川」や「酒場川」がなかなか渡れられないと記しました。今は違います。立派な橋が架かり、何度も行き来しております。
大袈裟かもしれませんが、この2曲を歌うために「喝采」や「夜間飛行」を先にヒットさせたのでは?とも勝手に勘ぐってしまいます。
後の作品の選曲にも大きな影響を残していることは間違いないと思いますが、「さだめ川」はその後セルフカバーをしているのに対し、「酒場川」は満足のいく仕上がりだったのでしょうか、その後歌われていないようです。
紅白の「酒場川」の映像は、翌年の「夜へ急ぐ人」の布石とも云うべき、場の雰囲気にはちょっとそぐわない(失礼)気もしますが、誰にも真似できない存在感に圧倒されます。
後年、この「酒場川」をもう一度歌ってみようとは思わなかったのでしょうか。私は是非聴いてみたいのですが。
ところで、「酒場川」を聴いていると、難題を突きつける「作曲家 船村徹」に果敢に挑む「歌手 ちあきなおみ」の構図を想像してしまいます。
デビュー直後の「女のシャッフル」から始まって、アルバム「もう一人の私」、そして「さだめ川」、「酒場川」と続き、「紅とんぼ」、アルバム「紅とんぼ」の各曲皆そうです。
そしておそらく歌い方に付いて一切の注文は付けなかった船村先生に対し、想像を超える表現で答えた姿も容易に想像できます。もちろん難曲揃いですから、相当な努力をされていたのは間違いないでしょう。
「歌手ちあきなおみ」にとって「作曲家 船村徹」の作品を歌うことは、自身への挑戦だったのでしょうし、探求心旺盛な性格を巧みに突いて、「喝采」のヒット中の「もう一人の私」や、「かもめの街」「役者」に続いて「紅とんぼ」を提供したのでしょう。


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